さて、弊社では、高速なDASストレージであるMIDOSASという製品を取り扱っております。
このDASストレージは、12GSAS規格搭載の24ベイディスクエンクロージャーとRAIDカードを使用しております。

24個のHDD、最新の12GSASによる接続。
この構成により、Read&Writeで3000MB/s(Win7、RAID5)という素晴らしいスペックを叩き出しております。

さて、通常であればこれだけでも大抵の用途には十分です。
しかしながら、4Kが一般的となり8Kの足音も日に日に大きくなる昨今、さらなる速度を求める場面も増えていくでしょう。
そこで、更なる速度を手に入れるご提案があります。そしてそれはとても簡単です。

”MIDOSASを2式接続して、それを束ねる”
これだけで、もっと上を目指せるのです。
今日はその検証作業をご報告致します。

この検証に使用するのは、これまた弊社で取り扱っているDaVinci Resolveターンキーシステムです。
このターンキーシステムは、4Kでも問題なく扱えるように、超高性能仕様となっております。
【DaVinci Resolveターンキーシステム】
筐体:Supermicro 7048GR-T
CPU:Intel Xeon E5 2697 v4(18core,2.3Ghz)×2
RAM:DDR4 128GB
Boot:256GB SSD
GPU:nVidia GeForce GTX 1080 ×2(非SLI)
このように、18コアCPUを2つ乗っけて、メモリもてんこ盛り。
さらにその高性能ぶりに大きな衝撃を与えたPascal世代のnVidiaグラフィックカードである
GeForce GTX 1080を搭載。まさに夢のような構成です

さて、このターンキーシステムにMIDOSAS2式を接続します。
MIDOSASはすでにそれぞれRAID5のRAIDボリュームを作成済みです。
それらをWindowsのディスクの管理にて、ストライプボリュームとして作成します。
これで全て準備は完了です。

まずは軽く速度を見てみましょう。AJA System TESTにて速度を計測します。
結果…
Speed

Write 3800MB/s、Read 3700MB/s
何でしょう、この素晴らしいスペックは。
…実を言うと、もっと出てもいいと思ってます。
もうちょっと設定を詰めたら、4000MB/sは硬いかもしれません。

さて、この性能を用いるには、やはり4Kを取り扱うしか無いでしょう。
早速DaVinci Resolveを起動し、適当な素材を4K DCI DPX 24Pに変換します。
この環境ですから、変換も爆速です。
9分程度の動画の変換が、5分程度で出来てしまいました。

次はこの変換した素材を実際に扱ってみます。
素材を取り込み、タイムラインを作成。エディットページにて再生します。
…はい、なにも問題ありません。非常にスムーズです。
次にカラーページにて再生。もちろん問題ありません。
さらに再生しながらグレーディング…非常にスムーズ。変更もすぐに反映され、ストレスフリーで作業できます。

実は、4K DCI DPX 24Pですと、2000MB/s程度の転送速度があれば取り扱えます。
つまり、この環境ではなんてこと無いということなんですね

このMIDOSASとDaVinci Resolveターンキーシステム、なんとデモが可能です。
もしご興味があればご連絡ください。

【余談】
DaVinci Resolveの仕様に関して。
この検証にて、HDやUHD、或いは4K DCIといった汎用的なものではない、イレギュラーな解像度でタイムライン解像度を設定した場合、
カラーページにてどうしてもフレーム数が落ちてしまうという現象が出ていました。
当初は「性能的にはなんてこと無いのに、なんでだ!?」となっていたんですが、色々と調べたり問い合わせしたりした所…
Resolveの仕様というところに行き着きました。
なんでも、「タイムライン解像度」と「ビデオフォーマット」は共通のものを使用する必要があるとのことです。
なので、もしビデオフォーマットの設定が"4K 2160p 24"の場合、タイムライン解像度は必ず4K DCI 24Pである必要があるということです。

さて、ここで注目するのは、「ビデオフォーマット」設定です。
タイムライン解像度はカスタムで設定ができますが、ビデオフォーマットはプリセット決め打ちです。
つまり、ビデオフォーマットの設定値以外の解像度の使用には制限があるということになります。
ただ、通常の再生や編集ではこの限りではありません。普通に再生できます。
しかし、「ちょっと特殊な画角を使用しているけど、モニターしながらカラーグレーディングをしたい!」という場合には注意が必要です。